免疫力をつける①「外邪を退治する力」
停滞気味の空気、どんよりとした気分に飲み込まれていませんか?
気分転換も兼ねて『免疫力をつける』を3回に分け、お届けします。
第1回目は、東洋医学の面から免疫力そのものを勉強していきましょう。
鍼灸師・国際中医師の岡尾知子さんにご協力いただき、ひも解いてみまました。
「今回のコロナウイルスのような外から入る病気の原因を、東洋医学(中医学)では〝外邪〟といいます。外邪に体がやられてしまうか、それとも侵入した外邪をすっきり追い出すことができるか。それを決めるのが、その人がもっている力(正気)。これが現代で言う〝免疫力〟や〝抵抗力〟にあたるものです」
では外邪に対抗する免疫力はどこで出来るのでしょう。
「中国に紀元前から伝わる古典によれば、それは五臓の〝肺〟に関わりが深いとされています。これはウイルスや細菌が呼吸器粘膜を通じて侵入するという、西洋医学的な考えにもつながるものです」
五臓六腑の〝五臓(肝・心・脾・肺・腎)〟は、西洋医学でいう内臓よりもっと幅広い概念で、心身を司る基本的な〝機能〟を指しているとのこと。その中で免疫力を司るのは五臓の〝肺〟。そして肺と密接な関係がある〝六腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)〟の中の〝大腸〟が重要だそうです。
「東洋医学では五臓が裏、六腑が表と考えます。裏-表で当てはめていくと、肝-胆、心-小腸、脾-胃、肺-大腸、腎-膀胱という組み合わせになります。近年の研究で腸内細菌の中に免疫を司る菌が存在することがわかってきましたが、中医学の古典では、すでに肺と大腸の関係が明記されていました。外邪から体を守るには、呼吸器を丈夫にすること、そして腸内環境をベストな状態に保つことの両方が必要ということになります」
次回へ
岡尾知子さんプロフィール:鍼灸師・国際中医師、国際薬膳師。著書は「美★薬膳」。ほか雑誌等で活躍。「FYTTE Web」などにて連載も。
#東京国際仏教塾 #免疫力