免疫力をつける②「麹は機能食品」

前回に引き続き、鍼灸師・国際中医師の岡尾知子さんにお話しを伺います。

免疫力アップのために、腸内環境を良好な状態に持っていくためにお薦めの食材はありますか?

「薬膳の観点では〝麹〟です。中国・明時代に編纂された『本草綱目』(ほんぞうこうもく)によると、『麹は温にして毒なし』『虚を補し、冷気を去り、腸、胃中塞で食物下らぬを除す』とあります」

つまり麹は、体の冷えをとり、消化器官に停滞した未消化物をスムーズに動かしてくれる、今でいう機能性食品にあたるのでしょうか?

「もともとは食材として用いられてきた麹ですが、その効能から薬用にも用いられるようになりました。これを〝くすりこうじ〟といい、『本草綱目』には、〝神麹(しんきく)〟という名前で記載されています。現在、市販されている整腸薬の中にも、麹菌の一種が成分として配合されていますが、昔の人はいち早くそのことに気づき、健康に役立てていたことがわかります」

子供のころ、風邪をひいたときに祖母がつくった甘酒を飲まされた記憶があります。甘いものを与えてくれたと思っていましたが、薬効の意味もあったんですね。昔から日本には麹を使った食品はたくさんありますがこちらは?

「代表的な日本の調味料で麹を使った食品には味噌、醤油などがあります。また、昨今の発酵食品ブームで、塩麴や醤油麹を活用する人も増えています。これらは、発酵の力で旨味も豊かになっていますので、毎日の食生活にこまめに取り入れ、麹のパワーをふんだんに取り入れてください」

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岡尾知子さんプロフィール:鍼灸師・国際中医師、国際薬膳師。著書は「美★薬膳」。ほか雑誌等で活躍。「FYTTE Web」などにて連載も。

#東京国際仏教塾 #免疫力アップ #麹

撮影協力/カネサ www.kanesaorganic.jp