心をもって暦本となす

1998(平成10)年、東京国際仏教塾の開講式で行われた鎌田茂雄先生の記念講演を18回に分け、ご紹介しております。本日は第8回です。

心をもって暦本 (暦の本) とすれば、 それでよいのである。
暦とは心にある。 暦とは心の持ち方にある。 佐藤一斎先生が言っているのですが、 確かにその通りだと思います。
朝起きて今日はいやだなと思うと何となくいやですし、 元気に朝を迎えますと、 今日も生きている、 何かをせねばならないような気が起こるものなのです。
心がそう考えるのは自由ですから、 気持ちだけは明かるくもって生きてゆけば三百六旬吉日なのです。
同じ意味では昔、 禅宗の人は、 日日是好日と言いました。
日日好日とはなかなか出来ないことですが、 日日是悪日と思って生きるよりは、 ずいぶんと違ってきます。
毎日毎日が好い日だと思って生きるのと、 毎日毎日が悪い日だと思って生きるのとでは、 積み重ねでずいぶんと変わってきてしまいます。
そして禅宗の人は、 こうして生かされている、 御飯が食べられている、 それがありがたいこと、 ということで、 真宗の方たちであれば仏様の計らいである、 と考えるわけです。 日蓮宗の方であれば 「南無妙法蓮華経」 と唱えることにより、 好日なのです。   -つづく-

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