お盆ってなに?

7月、8月と日本の地域によってお盆の時期は違いますが、「お盆ってなに?」と尋ねると「先祖の霊を祀るための日」という答えがほぼ返ってきます。単語としては仏教用語の「盂蘭盆会」を略したものではありますが、日本古来の祖霊信仰と結びつき、現在のお盆のスタイルになったと思った方が近いかもしれません。
東京国際仏教塾の大熊信嗣学監に「お盆は、先祖の霊のために行うものと思っていいんですよね?」と質問したところ、「亡き人を通して、命を大事にすることを思い返す時という捉え方をしています」という答えが返ってきました。
自分の命は自分ひとりのものではない。親から受け継ぎ、その親もまた親から。すべてのご先祖様からいただいた命。この命をどう受け止めるか。傷つけてはいけない、大事にしなきゃならないと思い返すタイミングがお盆だというのです。
命のこと?それは日々、考えなければならないのでは?
「だから僕は365日、毎日がお盆。その強化月間が7月と8月と捉えています」
なるほど! 当たり前のようにある命。ご先祖様を通し、あらためてその意味や価値を考えること。メンタルタフネスには必須の考え方です。
今年は、京都・五山の送り火が縮小になり残念だという声が多く聞こえてきます。しかし、ご先祖様を送り出すためだけでなく「自分の命を、今一度、考えるための光」と思うとありがたいこと。夏の風物詩として、今年もニュースで取り上げられるでしょう。その時に、このことを思い浮かべてはいかがですか?

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