モネの睡蓮

オランジュリー美術館の「睡蓮」

先日、『日曜美術館』(NHK Eテレ)で、クロード・モネとアンリ・マティスを取り上げていました。番組の中で、フランス・パリのオランジュリー美術館の約91メートルにもおよぶ壁面いっぱいの「睡蓮」は、モネ自身がフランス政府に寄贈したと紹介がありました。その理由は、戦争やスペイン風邪で疲弊した人々を「癒す」「寄り添う」ためだったそうです。フランスがコロナ禍でありながら早々に美術館を開館したことは、そんな気質が背景にあったのでしょう。
仏教の歴史をたどっていくと、お釈迦様のお説法が、当時の社会的な観念の縛りから人々を解放したとわかってきます。生・老・病に悩まされる。死に帰着するとわかっていても、財産を守ろうとする。どうにもならないカースト制度で苦しむ…。時代が経っても同じように人間は悩みに捕らわれます。これらの観念から解放してくれる宗教が仏教です。
仏教を学んでいくと、徐々に心が軽やかになっていくと思います。心の中に水の広がりに似た、静かな落ち着きが生まれてくるはずです。それは、これまで歩んできた人生で悩ませていた諸々のものに対し、執着しなくなるからだといわれています。もちろん、その心境に至るには相当の時間が必要だと思いますが、それが「学ぶ」ということ。学びを深めていけば、自分にも、自分自身以外の人にも優しく、他者にも寄り添える存在になれるはずです。

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筆使いからも伝わる優しさ

自然光を取り入れる設計