なにをどう選ぶ…①

先日行われた選挙を振り返りつつ、「なにをどう選ぶ…」を考え、3回のコラムにいたしました。

選挙とは、辞書を引くと「多くの中から投票などにより適任者を選び出すこと」とあって投票による選抜を思い浮かべますが、もともとは中国の六朝時代に官吏の登用に際して民間の与論の推薦で選んでいたことを選挙と呼んでいたので、投票とは関係がなかったようです。この選挙は随の時代には科挙という実力主義の登用試験に切り替わりましたが、現在日本で行われている、一般の公務員は採用試験で選び、議員という特別公務員は住民の投票で選ぶという組み合わせは能力試験と民意の両方を生かした面白い選抜制度だと思います。
さて、この選挙の「選」は辞書には「選ぶ、選る、多くの中から選び抜く・選抜」とありますが、ひと口に選ぶと言っても実際にはいろんな場面に応じていろんな方法があります。その一つが今お話した選挙。議員に限らず身近には生徒会長や学級委員選挙など誰も経験しています。学校では部活の部長など部員の互選や推挙、監督の指名などもあります。
選ばれるのでなく自分が主役で選ばせるのが実力試験です。入学試験や採用試験、さらには昇任試験や資格試験があります。競争社会の勝ち抜き戦ですが、その典型がコンペ、コンテストです。接待のゴルフコンペはお遊びですが、本来は参加者を競わせて勝者を選ぶ方式なので真剣勝負です。最後に勝ち抜いて頂点に立つのはたった一人、他の参加者は全員が敗者。厳しい世界を映しています。   -つづく-
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