奈良・薬師寺のお身拭い

今年になっても自由に動くことができない窮屈な日々が続いています。その気持ちをおもんばかって、関西の友人からいくつかのビデオレターが届きました。折りに触れ、おすそ分けいたします。
1回目は奈良・法相宗大本山薬師寺。訪れた日は昨年の12月29日、年2回行われるお身拭いの日です。例年なら境内に続々と観光客が集まっているところですが、人はまばら。堂内に入る人数も制限されていたとか。出遅れたこともあり、撮影も堂外で行ったそうです。しかし、それもラッキーなこと。持参した脚立を、だれに迷惑をかけることなく自由に移動し、撮影することが可能に。
金堂の薬師三尊像から始まり、大講堂の弥勒三尊像、東院堂の聖観世音菩薩立像と順にピカピカに磨かれていきます。聞くところによると、お身拭いで使われた湯は、正月にお供えする鏡餅をつくる際に出たものを再利用。また僧侶以外に、青年衆と呼ばれる高校生から大学生を中心とした若者たちが手伝っています。日ごろ経験したことのない非日常の行事に参加。一生懸命に国宝の仏様を磨き、最後に東院堂の床拭き。よれよれになりながら、湯の入った桶をこぼさないように慎重に運び出す姿に、思わず「お疲れ様でした。ありがとう」と声をかけてしまったそうです。輝きが戻り、さっぱりとしたお姿の仏様もさることながら、彼らの姿が心に残った昨年末、薬師寺のお身拭い。その様子をご覧ください。

法相宗大本山薬師寺
奈良市西ノ京町457
https://yakushiji.or.jp/

#東京国際仏教塾 #仏教を学ぶ #仏教を知る #第34期入塾者募集