臨済宗専門課程を修了して

臨済宗コースは、3月12日に最終回を迎えました。同コースは山梨県韮崎市の金剛院で行われ、同院看坊職の松村文圓師と32期卒業生で得度された村田禅士にご指導いただきました。最終回には、松村師の師僧で千曲市開眼寺住職の柴田文啓師も来寺され、講話がありました。
臨済宗コースでは、朝課、日中諷経、晩課といったお勤めに参加するほか、お経の練習や作務を行いました。また、朝課の前と日中に坐禅もあります。
お経の練習は、実際に鳴らし物を打ちながら行います。作務では、裏の竹藪から切り出された青竹の整理や、庭の掃除、本堂の掃除などを行いました。皆で協力して行なう食事の準備も大切な作務です。
臨済宗では、一日三回の食事を粥座・斎座・薬石と称し、朝と昼の食事の際には、お経を唱えます。般若心経、十仏名に加え、朝には喫粥偈、生飯偈、五観文、三匙偈、折水偈、粥畢偈を、また、昼には喫齊偈、生飯偈、五観文、三匙偈、折水偈、齋畢偈を唱えます。
食事は、持鉢という椀を五つ重ねた各自の器を用いて作法通りに行います。今回は特に、村田禅士が飯台看の役をされて、給仕を作法通り行なう練習もありました。
薬石の後は座談会。得度のこと、また僧堂や安居会について、そのほか寺院の実際や住職の仕事などが話題にあがり、受講生にとって将来を考えるうえで勉強になる話が多くあったそうです。
読経の考査は、実技も交えつつ『般若心経』『消災呪』『本尊略回向』『白隠禅師坐禅和讃』『四弘誓願文』の読経を行うものでした。
受講生の読誦を聴いた柴田師は読み方のアドバイスをされ、独りよがりにならないようCDを聴いて本職の読経に近づくように練習すること、継続して行うことを希望されました。
その後、日中諷経などが行われ、斎座の後に解散となりました。
茶礼の席で柴田師は宗教の意義を語り、「21世紀は仏教の時代になって欲しい」と塾で学んだ卒業生が活躍されることに期待を寄せておりました。
臨済宗コースではレポート提出と教場における実習の成果が求められ、総合的に合否判定がなされます。レポート課題は①臨済宗の教えについて②臨済禅の伝来とその流れについて③作務とは何か、の3つ。受講生は両者とも合格して無事修了となりました。得度に向けてこれからも研鑽に励むとのことでした。

鳴らし物を打ち、読経する様子

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