禅の世界に触れて! 

第34期 R.K.

6月3日から禅道場修行が行われた。前回と多少メンバーが入れ替わり、何となく雰囲気が違う。出発の瞬間までワクワクしていたので、緑に囲まれた静かなお寺は、まるで別世界だった。
最も心に残ったのは禅の精神ともいうべき「自己と向き合う」日々であったこと。食事作法も班ごとの係も「黙」して音を立てずに食することも目新しい体験だった。会話を楽しみながらの食事に慣れている身も、黙しての食事はなるほど食事に集中できる。また食そのものの味やおいしさが何と素直に感じられることか。ごはんのふっくら感と甘さも分かるし、野菜も大変おいしい。料理をする人への感謝も浮かぶ。そして使った容器の片づけ方も、すべての動作が一つ一つ無駄がないと思えた。禅の世界は非常に合理的だ。
禅を語るのにお経と坐禅は欠かせない。お経は言葉の意味は分からなくとも素晴らしい内容なのは、わかったというより心で感じた。お経を読むと世の中の真理のようなものが書かれていて、それを心に覚えさせることができるような気になる。もう少しお経について知りたいし、内容の解釈も分かり易く学びたいものだと感じた。
1日目は過度の緊張のせいか朝まで眠れた気がしていない。少し頭痛を覚えながらも合掌し一礼して禅堂に入ると頭の中はスッキリしていた。初めのうちは雑多な日常が頭をよぎったが、次第に何も考えなくなった。都会の喧騒を離れ静寂の中で鳥のさえずりのみを聞き、すがすがしい空気を胸に入れて呼吸する。まるで一人でいるかのようにこのひとときを満喫する贅沢な時間に思えた。これこそ醍醐味と言えるだろう。
最後に私たちを支えてくれたすべての人たちに、合掌して感謝したい。合掌

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