道の精進には

第28期 R.T.

東京国際仏教塾での臨済禅体験時に「あ、これをやり続けたい」と思い、その後すぐさま、京都にある臨済宗本山の居士坐禅会に参加して早や8年が経ちました。
居士坐禅会とは言え、専門僧堂の規矩に乗っ取った厳しい運営が有名な禅会で、その凡その流れは、毎週土曜日夕方に禅堂に集まっての結制茶礼から始まり、坐禅、晩課、提唱(老師の法話)、参禅(老師との一対一のいわゆる禅問答)、開枕(禅堂で単布団に包まって寝る)、翌日曜日朝五時からの朝課、坐禅、粥座、作務、それにプラスして古参の方々からの厳しい叱責と、雲水もどきの半日となります。 参加当初はビビりあがりましたが、慣れるに従いその厳しさが月曜日から金曜日までの日常生活での様々な思いや葛藤をリセットしてくれ、本当に充実した週末を過ごさせていただきました。と、ここで「いただきました」と過去形になっているのは、いい加減それがしんどくて辞めたのではなく、ご多分に漏れず、このコロナ禍により禅会は2020年末の臘八大接心を最後に、現在(2022年11月)まで休会の状態が続いています。
それまでの約5年間、一回も休まず毎週末に参加し続け、この週末の雲水もどきがすっかり生活の一部になっていただけに、休会以降は、何だか日々の生活に芯が無くなったような気がしています。余談ですが、不思議なことに平日に体調が悪くても土曜日の朝になるとすっかり元気になるのです(笑)。
以来、休会中に老大師から頂戴した「休会中も空力を養っていてください。」との励ましの御言葉を支えに、自分なりにささやかな仏道精進をしています。
しかし、私の経験上、仏道に限らず何かそれなりの道に精進する場合は、独りではなかなか進まないものだと実感しています。道の精進には、①良き師(善知識)の指導、②志を同じくする仲間(道友)との切磋琢磨、③道に集中できる時間と空間、この3つが揃ってこそ実りある成果が得られるのではないでしょうか。独り精進は、よっぽどの覚悟と気概がないとまともにできるものではありません。お釈迦様が僧伽を結成し律をお定めになられたのは本当にご尤もなことだと思います。
未だ先の見えない状況が続き、禅会もいつ再開されるのか見通しもたっていない中、せめて志だけは無くさないようにと、自分なりに精進していきたいと思っています。末筆にはなりましたが、この東京国際仏教塾に参加しなければ臨済禅とも出会うことができずにいたと思うと、
そのご縁に感謝しています。 
東京国際仏教塾のますますのご発展と、そのご縁に連なる皆々様のご健勝を心よりお祈りいたします。南無三宝(合掌)

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