細見美術館開館25周年記念展は必見です!

重要文化財 金銅春日神鹿御正体 南北朝時代 細見美術館蔵

京都・岡崎地区には、著名な寺社仏閣のほか、目が離せない美術館が集まっています。
この地に25年前の1998(平成10)年、事業家であり、美術コレクターの細見 良(号:古香庵)氏、長男の實氏、孫の良行氏と、三代にわたって収集された日本美術を展示するため、細見美術館開館は開館しました。現在、当美術館では、25周年を記念する二部構成の展覧会が開かれています。パート1は『愛し、恋し、江戸絵画ー若冲・北斎・江戸琳派ー』(〜11月5日まで)、パート2は『挑み、求めて、美の極致―みほとけ・根来・茶の湯釜―』(11月14日から2024年1月28日)です。
両会期中、細見美術館のシンボル的存在、重要文化財の「金銅春日神鹿御正体」が展覧会を見守ります。鹿本体と角、榊、鐙(あぶみ)、神鏡の5つが別々に鋳造され、木製の雲座の上で精巧に組み立てられた見事な造形です。

普賢菩薩像 平安後期 細見美術館蔵

パート2では、初代・古香庵氏が“美の原点”として心酔した神道・仏教美術、力強い漆器・根来、研究に没頭した茶の湯釜などの金工品の数々がおしみなく披露されます。注目は、平安後期の作とされる「普賢菩薩像」。普賢菩薩は法華経を信仰する者を守護すべく、六本の牙をもつ白象に乗って現われるとされ、平安時代には特に女性の信仰を集めました。こちらの作品は、穏やかさと優美な表情を描き出すため、図像のほとんどに裏彩色が施されています。うっすらと白、頬や胸元などに薄紅の裏彩色をかけることで、暖かみのある生き生きとした表情が浮かぶ逸品です。

日本美術に向きあってきた真摯なコレクターの姿勢を、ぜひご堪能ください。

開館25周年記念展2
「挑み、求めて、美の極致―みほとけ・根来・茶の湯釜―」
 
会 期 2023年11月14日(火)〜2024年1月28日(日)※一部展示替えあり 
開館時間:午前10時〜午後5時
休館日:毎週月曜日(祝日の場合、翌火曜日)年末年始(12月25日〜1月4日)
観覧料:一般1,400円、学生1,100円 
※開館25周年記念展ではリピーター割引があります。
会場:細見美術館 http://www.emuseum.or.jp 
〒606-8342 京都市左京区岡崎最勝寺町6-3
TEL: 075-752-5555(代) FAX: 075-752-5955(代)