頑張りたくないんだもん

運動会のシーズンも終わり、小・中学校の近くでにぎやかな音楽を聴くこともなくなりました。
近所に運動が不得手な小学生がいます。その子にとって、運動会は苦痛そのもの。運動会が開催される前に「どう?」と尋ねると「ビミョー」。「なんでビミョー?」と返すと「だって、頑張りたくないだもん」。
これからの人生、もっと頑張らなければならないこと、競走しなければならないことがいっぱい待っているんだけどと思いながらも「なるようになるんじゃない?」と答えました。すると「そうだね、テキトーにやるよ」と。
その子と分かれしな、ふと思い浮かんだことがあります。
お釈迦様の話です。

釈迦族の王子として生まれた釈尊は、29歳で沙門の人生を選びました。約6年間、5人の沙門とともにウルヴェーラーの苦行林で苦行を行いました。しかし、さまざまな行に取り組んでも、釈尊が求めていた答えを得ることは出来ません。そこで苦行林を離れました。その後、沐浴と乳粥で気力と体力を取り戻し、ブッダガヤーにある樹の下で、瞑想に入ります。悪魔の妨害を退け、35歳でさとりを開き「ブッダ」=「目覚めた者」「覚者」となりました。

頑張ることは悪いことではありません。しかし、お釈迦様でさえ苦行林で頑張ることを一旦、止めたなのではないかと思いませんか?

お釈迦様が到達した域、さとりの境地に到達することは、なかなか難しいことかもしれません。

ただ、ちょっとだけ生きることに「頑張る」から離れてみてはいかがでしょう。
「テキトーにやるよ」と答えた子の将来が楽しみです。

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