らんまんロス

コラムのタイトルを見ただけで、なんのことか、お分かりの方も多いでしょう。NHKの連続テレビ小説『らんまん』が終わってしまい、今もまだ、寂しくてなりません。毎朝15分間、豪華な出演者たちや脚本、演出、細かなディテールに、釘付けになっていました。

最終話を迎える3日前あたり。主人公である槙野万太郎の台詞が、今も心に残っています。

「植物は、己の命を懸命に生きている」
「あらゆる命には限りがある。植物にも、人にも」
「出合ったことが幸せ」
「今を生きることが愛おしくてたまらない」

どの言葉も受け取り方は、人それぞれです。ただ、昨今の殺伐としたニュースが流れる中、こうやって植物や人を思いやる温かなまなざしを伝える言葉は忘れたくないように思います。
主人公のモデルとなった牧野富太郎博士は「植物が好き」の好きを越えて、

朝夕に 草木を吾の友とせば 心淋しき折節もなし

と、短歌を残す人。マイペース過ぎて、彼を支えた家族や友人たちは、想像するだけでさぞかし大変だったのでは? ただ、彼の心の奥底に、慈しむ心があると知ってから、許せたのでしょう。

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