永遠の仏

仏教は、永遠に変わらない真理を説く教えです。真理に暗く、迷いの世界で苦しむ人々を目覚めさせ、安らかな境地へと導くのが仏の智慧です。

お釈迦様が悟られた真理は、お釈迦様が生み出したものではありません。それは、お釈迦様以前にも存在し、お釈迦様亡き後も存在し続けるものです。ニュートンが万有引力の法則を発見したように、お釈迦様はすでにある真理を見い出されたのです。

仏教における真理は、世界のありのままの姿を表しています。すべてのものは他のものと関わり合って存在するという「縁起」、すべてのものが常に変化するという「諸行無常」、この世のすべてのものは実体を持たないという「諸法無我」などが挙げられます。

大乗仏教では、その永遠に変わらぬ真理が仏の本性であり、お釈迦様はその真理が我々に法を説くために娑婆世界に現れてくれた姿であると説かれています。

法華経には、「我れ始め仏を成りてより以来、無量無辺百千万億那由他劫なり。常に此処に住して法を説く」とあり、お釈迦様は無量の過去からずっと仏であった説かれており、この永遠の仏は「久遠実成(くおんじつじょう)」の釈迦如来であるとされています。

浄土真宗の開祖である親鸞聖人は、「久遠実成阿弥陀仏 五濁の凡愚をあわれみて 釈迦牟尼仏としめしてぞ 迦耶城には応現する」という和讃を残し、永遠の仏である阿弥陀仏が、私たちを救うために、お釈迦様としてこの世に現れたのであると詠まれています。

永遠に変わらぬ真理を体現するのが久遠実成の仏であり、私たちはその永遠の仏の命の中を生きているのです。

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