目に見えない大切なもの

「本当に大事なものは目に見えない」
「星の王子様」のなかで、王子様が親友になったキツネに言われる言葉です。われわれが一番大事だと思うもの、友情や愛情などは目に見えないものです。

仏のさとりの世界、真理そのもの(真如)の働きも、本来は目にも見えないし感じることもできないものです。しかし、すべての生きとし生けるものは、その仏の力ともいえる目に見えない働きによって生かされています。

私たちは、様々な命を日々の食事としていただいていますが、その命がいったいどこからやってきたのか、どのように育まれてきたのか、すべてを知ることはできません。何十億年もの生物の進化を通して、様々な環境の変化を通り抜けてきたのか、さらに、地球という星に生物が生まれる前の宇宙の誕生からどのようなものが関わりあって今の自分のところまで繋がっているのか、ということもおよそ知ることはできません。

そのような膨大な縁起のつながり、その背後に働く大宇宙の法則というべきもの、もしくはすべての命の根底に流れている働きといえるものは、我々の五感や知性を通しては感じることができません。

金子みすゞさんの「星とたんぽぽ」という詩の中でも、「昼のお星はめにみえぬ。見えぬけれどもあるんだよ。見えぬものでもあるんだよ。」と、目に見えないもの存在が詠われています。

仏教を学ぶ際に忘れてはならないことは、詩人の心が本当に大切な見えないものを感じるように、知性を超え、目に見えない仏の働きを感じていくことではないでしょうか。

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